「フリーランスの仕事をしてみたいな」
「フリーライターって興味があるけれど、実際どんな仕事をするんだろう」
「未経験だけどどれくらい稼げるんだろう。副業の方がいいのかな」
近年注目されている「フリーランス」という働き方。コロナ禍を追い風に、より一層注目度が上がっています。たくさんあるフリーランスのなかでも、隙間時間を使って副業としても手軽に始められると人気なのが「フリーライター」です。今回はフリーライター16年目となる筆者が、仕事内容や収入など、現場のリアルを含めて解説します!
1.フリーライターになるには?
フリーライターって?
記事などの執筆の仕事をする人を「ライター」といいます。個人事業主や自営業者のように、従業員として企業に所属をしない労働形態を「フリーランス」といい、フリーライターはフリーランスの働き方の1つ。労働時間や休日、勤務地など働き方の多くを自分で設定できフレキシブルに働けることから、特にコロナ禍以降は注目されています。一方で、仕事を自ら探さないといけないため不安定さもある仕事でもあります。筆者はフリーライターとして働いて丸16年目になりますが、「安定性より自由度が大切」という部分が長く続けられたポイントだとひしひし感じています。
主な業界は?
執筆をコンスタントに必要とする業界は、出版、広告、WEBなどマスコミ業界、マーケティング業界などがあります。出版社や編集プロダクション、広告代理店から仕事を請け負うほか、一般企業においても、HPライティングやECサイト、広報、マーケティングなどの部署と仕事をすることも。特に近年は、さまざまな業界でSNS運用やLP、企業ブログの代行などWEBコンテンツを充実させる傾向があります。専門性の高い業界があれば、一般企業から執筆依頼があることも。
フリーライターの始め方
結論をいうと、資格が必要な業界ではないので、実績があろうとなかろうと、「フリーライターです」と名乗ったもん勝ちです。名刺やSNSアカウントで、肩書を名乗ることがファーストステップ。
そのうえでおすすめの方法は…
- 自分のスキルや興味分野を洗い出す前職が看護師さんなら、医療業界や介護業界のことは詳しいはず。情報収集のスピードも早く、専門性の高い記事も書けますし、メディカルライターを目指すこともできます。専業主婦経験があるなら、家事や育児、節約・貯金関連などが書きやすいでしょう。キャンプが趣味ならキャンプやアウトドア、少し派生して車や旅、釣り、料理なども日常から情報としてキャッチすることも多いはず。自分の今までの経験や趣味、興味のある領域などを一度洗い出すと、書きやすいジャンル、これから挑戦したいジャンルなどの傾向がつかみやすくなります。
- .専門サイトに登録して仕事を探す自分の可能性を洗い出したら、実績作り!クラウドソーシングやライター登録が可能なプラットフォームへまずは登録してみてはいかがでしょうか。ライターは経験と実績で信用を上書きしていく仕事です。実績がなくてもOKという案件もあるので、まず1本記事を書き、制作時間やクライアントとのやり取り、クオリティーなどを学んでいくと良いですね。余談ですが、筆者がライターになった頃はクラウドソーシングが普及しておらず、クリエイター掲示板で探したり、出版社や代理店などに直接営業したりしていました。当時クラウドソーシングがあったら間違いなく利用していただろうなあ…なんて思います。
- .学校や講座で勉強をする「未経験で文章スキルがない」「サンプル作成のみで本受注ができない」「次の依頼に結びつかない」など、文章スキルに自信がない方は講座やスクールに通ってみるという手も。筆者は文章講座の受講経験こそありませんが、初期に依頼していただいていた団体さまで丁寧に添削をしてもらっていました。その経験がその後の仕事に大きな影響があったと感じています。「国語が好き」「本が好き」「文章書くのが得意」=ライタースキルというわけではないのが、この仕事の深いところ。一度基本ノウハウを学ぶという方法もアリだと思います。
2.フリーライターの原稿料は?
ライターの原稿料は案件でバラバラ
さて気になる原稿料ですが、これは本当にさまざま。クライアントやプロジェクトの要件、執筆の難易度(専門性、取材の有無、文字数、納期)、媒介企業の有無などが、原稿料に反映されます。一般的に雑誌や書籍などの紙媒体はページ単価、WEBの場合は文字単価で設定されることが多いです。
年収どれくらい稼げるの?
原稿料がバラバラなので、年収ももちろんバラバラ。主婦の方などでは扶養内で稼いでいる方も多くいますし、専門性の高いライターさんやコラムニストでは、年収1000万円以上の方もいます。個人のスキルや実績、原稿料や稼働時間や記事本数でもかなり変動します。しかしながら1000万円プレイヤーはごくわずか。高年収を目指すにはかなりの実績と専門性、信頼性が必要になります。
3.仕事をどうやって獲得している?
・直接依頼
クライアントが直接フリーライターに仕事を依頼する方法です。自分で営業をしたり、繋がりのある人に紹介してもらったり、SNSやブログ記事などを見て直接依頼を受けるという導線があります。
・代理店
ライターとクライアントを結ぶ代理店に外注ライターとして登録し、仕事の案件を受ける方法です。代理店を挟むことで、案件の安全性がある程度保障され、複雑な交渉を任せられるという大きな利点があります。また代理店からの信頼を得ることで、高単価案件や長期継続案件を紹介されやすくなるということもあります。
・クラウドソーシングサービス
インターネット上のクラウドソーシングサービスに登録し、仕事を受注する方法です。プラットフォーム上で、クライアントがライターを募集したり、ライターが仕事を探したりすることができます。未経験でもOKという案件も多く、プロフィールと評価が可視化できることから、実績を積みやすいサービスとなっています。大手クラウドソーシング会社では、クラウドワークスやランサーズなどがあります。
4.フリーライターに絶対必要な4つのスキル
1:社会人の基本スキル
フリーランスは自由な働き方で、言い換えれば全て自己責任です。失礼なことをしてもフォローしてくれる上司もいなければ、教育してくれる組織体制もありません。だからこそ、言葉遣いやホウレンソウなどのコミュニケーション能力、時間や進捗などの管理スキルなど、ビジネス上で必要な基本的なスキルは、評価の分かれ目といえます。長くお付き合いのある担当者や編集者からは「〆切を何も言わずに守らないライターがいた」「ライターが飛んだ」「ライターさんが取材先と揉めた」などと聞くことが、わりと多くあります。「文章が多少下手なのはこちらで直せる。納期やマナーが守れるライターのほうがいい」と真剣に語られたことも。最低限のマナーはもはや必須スキルです。
2:傾聴力
取材はもちろん、クライアントとのやり取りにおいても、主張する力よりも「聞く力」が大切。仕事である以上「依頼主の意向」が第一です。そして記事にするための素材を集めるのが第二。この2つが記事のベースになります。そのどちらも「聞くこと」から成立するので、しっかりと意向を汲み取れるように傾聴しましょう。
3:文章力
記事は、集めた素材を、言葉を使って調理したものです。素材の魅力や伝えるべきことを的確な言葉にするための文章力は、ライターにとっては必須スキルです。文法や日本語能力だけでなく、表現力や語彙力、感性を高めることで、より魅力的に伝わっていきます。
4:企画提案力
案外見落とされがちなのが、企画力。ピンポイントでお題を提示されて書くという依頼もたくさんありますが、クライアントは「どうしたら魅力的なコンテンツになるか」を常に求めていたりします。だからこそ、読者が求めているコンテンツを企画し提案できるライターは重宝される傾向があります。また、営業するうえでも複数のクライアントに企画書を頻繁に送ることで仕事に繋がることも多くあります。企画は数打て!は筆者のポリシーでもあります(笑)
5.スキルアップの方法は?
不安定なフリーライターという仕事。そのなかでなるべく安定した年収をキープしたいと考えることは至極当然です。その方法は主に4つ。
1.需要の高い分野のスキルを身に付ける
「SEOに詳しい」「〇〇分野に精通している」「〇〇の権威とのコネクションがある」など、専門性が高ければ高いほど、ライターの付加価値が上がり、依頼が集中しやすくなります。
2.複数のクライアントと契約する
1ヶ所からの依頼では、その会社の方針や業績で依頼が打ち切りになったり、プロジェクトが変わる可能性が高くなり安定性がキープしにくくなります。私もこの16年、クライアントの業績悪化で記事単価が下がったり、依頼本数を制限されたり、クライアントの経営が縮小したりとさまざまな経験をしました(涙) リスクヘッジとしてさまざまなクライアントと取引をすることは大切です!
3.単価を上げる
スキルや実績を積むことで、1本あたりの単価アップの交渉も可能になります。言い換えると、自己ブランディングを確立していくことでもあります。ブランド価値が上がると値段が上がるのは世の定め。実績や成果をアピールするためのポートフォリオは常に更新し、契約更新などのタイミングで交渉してみましょう。
4.チームでの受注を目指す
カメラマンや編集者などのクリエイターや、システムはじめ各分野の専門家などと繋がり、チームを組んでビッグプロジェクトを受注するという方法も。上流から携わることができればできるほど単価も大きくなります。替えが効かないプロジェクトであればあるほど、成功するとクライアントの評価も上がりやすいので継続受注がしやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。筆者もフリーライターのはしくれとして、月収ウン万円からスタートし、安定して生活ができるくらいまで、コツコツと続けてきました。フリーライターは収入が安定しにくく、気持ち的に不安定になってしまうこともある仕事ですが、飽き性の私がここまで続けてこれたのは、労働のフレキシブルさだけでなく、実績も年収も自分の力で上げていけるから。そして何より、「読者に魅力的に伝える」ことが本当に難しくて楽しくて面白いからです。読者やクライアントに喜んでもらえると、本当に嬉しくてやりがいを感じますよ!少しでもフリーライターという仕事に興味がある人は、副業からでも挑戦してみてください!
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